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2017年12月20日 (水)

膵島細胞移植-Q&A-③

Q)

がんについてお聞きします。

膵臓がんが、初期の段階で発見されることは、ほとんどない、とお聞きしますが、

がんが出来た膵臓から、膵島を移植することは可能なのでしょか?

がんの出来た部位によりますでしょうか?

実際に、膵臓がんの患者さんで、この治療法を受けた方は(欧米で)いらっしゃいますか?

*

またハリウッド女優さんで、乳がん予防として乳房を取られた方がいらっしゃいましたが、この考え方は欧米では一般的なのでしょうか?

膵臓がん予防で、この膵島細胞移植手術を受けられる方は、多いのでしょうか?

(未来を予想する訳ですから、)患者さんの移植手術の時期を見極めるのは、ドクターでも悩まれますか?

*

*

A)

現時点では、がんがある膵臓からは自家膵島移植はできません。
欧米でも実施例はほとんどありません。
良性腫瘍の場合は、少数の施設で実施例がありますが、やはり普通は行われません。
膵臓の腫瘍は、良性と弱い悪性の区別がつきにくいからです。
乳がんの場合の考え方は、専門外でよくわかりません。
また、膵臓がんの発生はあくまで確率なので、患者さん個人が発がんするかしないかはわかりません。
現状では、症状が軽微なのに膵がんの予防だけのために本治療を受ける人はほとんどいないと思います。
また、いつ本治療を行うかは常に議論になります。
現時点では症状(特に疼痛)が強い患者さんが対象になるので、あまり待つことなく実施されます。
今後比較的症状は軽いが進行性の患者さんや、発がんリスクが特に高い方に本治療をいつ行うかが課題になると思います。
今のところ明快な基準はありません。
最終的には、患者さんご自身がどう希望するかになります。
*
霜田雅之
国立国際医療研究センター

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