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Zoom相談会

2024年12月 2日 (月)

zoom相談会-議事録-24.11.26正宗淳先生

膵の会10周年記念―ZOOM相談会―議事録

・日   時:2024年11月26日㈫ 18:30~19:30

・講   師:東北大学消化器内科 教授 正宗   淳(まさむね あつし)先生

・オブザーバー:膵の会アドバイザー      鈴木光幸(すずき みつよし)先生

・出 席 者:膵の会会員、及び製薬会社の皆さま。

 

【質疑応答】

Q)娘のご相談です。2歳半から脂質制限をはじめ、現在は11歳、20g/1日で食事をしています。

大人の遺伝性膵炎の患者さん方は、脂質制限はどうされているのか、お聞きしたいです。

(具体的に、何gくらいまで上げられるものなのでしょうか?)

また、大人になってから気をつけないといけないことは、何でしょうか?

 

A)大人の患者さんは慢性膵炎の方が多く、脂質制限をしないことがほとんどです。

慢性膵炎になると腹痛が起こらなくなる「非代償期」を迎え、痛みもなく膵酵素値も上がらなくなります。

この時期は合併症が起こらないよう、しっかり栄養を摂ることが大切です。

膵炎症状がある方で、脂質30g/日、ない方は普通のお食事(50-60g/日以上)を召し上がります。

また、大人になってから気を付けていただきたいのは、喫煙と飲酒をしないことです。

 

p.R122H変異の20代女性。2歳ころから腹痛を繰り返して、急性膵炎の診断。

幼少期に、合流異常で総胆管切除肝管空腸吻合を受け、遺伝子検査で確定しました。

その後膵管空腸側側吻合術の病歴です。

 

Q)膵機能検査について→どのくらいの頻度で受けるのが良いのでしょうか?

現在は3〜5年に一度やっています。

 

A)膵臓機能検査には、外分泌の機能検査(PFD)と糖尿病の検査の2つがありますが、現在日本では検査薬が作れなくなり、外分泌膵機能検査は行われていません。

膵臓学会と製薬会社で、改善に取り組んでいる最中です(再開されたら、数年に一度お受けになるとよいと思います)。

リパーゼの数値が下がってくる(10を下回る)と、膵臓機能低下の目安になりますので、普段の採血で項目を追加してみてください。

また糖尿病検査も同様に、血糖値とヘモグロビンA1Cの値を見ていただきたいです。

膵臓機能が落ちる順番は、外分泌機能が先に落ち、その後、糖尿病の症状が現れます。

リパーゼの低下がなく糖尿病となっている場合は、膵性糖尿病ではなく、2型の糖尿病を疑う必要があります。

 

Q)画像検査は、どのくらいの頻度で行ったほうがよいのでしょうか。

腫瘍のリスクを踏まえて、今は1年に1度MRIを行っています。

 

A)年1回のMRIでも十分だと思います。

CTは被爆をしますので、20代の女性の患者さんには、頻回には行いません。

また膵がんスクリーニングを受ける目安は、40歳以上と国際ガイドラインでも決められています。

 

Q)薬について、どのくらい効いているのか、エビデンスを知りたいです。

フォイパン、ビソルボンなど、幼少期から多剤を服用しています。フォイパンは効きますか?

リパクレオンは飲んだ方が楽だと感じます。そのほか飲んだ方がよい薬はありますか?

現在ビソルボンは減薬しましたが、飲んだ方が良いですか?

逆流性食道炎のような症状になることもあります。

 

A)大人の慢性膵炎の方には、症状がない時にフォイパンを出さないことが多いです。

先日、「慢性膵炎にフォイパンは効きますか」といった論文が出ましたが、効果がないといった論文でした。

日本では長く使われている薬ですが、海外ではほとんど使われていません。

ビソルボンも新しいエビデンスはありません。減薬しても変わらないでしょう。

リパクレオンを追加する方が効果的だと思います。

また、胃酸が出ると膵臓を刺激するので、ネキシーム(PPI)やタケプロンだけ欲しいという患者さんも、多くいらっしゃいます。

 

【母からの質問】

Q)遺伝子を持っていても発症しないこともあると読んだことがあります。

発症する、しないのトリガーのようなものがあるのでしょうか。

 

A)R122H変異は8割以上の方で膵炎になるとされていますが、SPINK1のp.N34S変異(多型と言った方がいいかもしれません)は、膵炎の無い方でもみられます。

例えば、妊娠される前から過度に心配する必要はありませんし、膵炎を疑う症状がない場合は原則、遺伝子検査もしていません。

明らかなトリガーは分かりません。まだまだ分からないことが多い領域だと感じています。

 

Q)一般内科のお医者さんに、遺伝性膵炎はどのぐらい知られているのでしょうか?

もう20年以上前の話になりますが、20代から膵炎の主人が、(アルコール性ではない)膵炎の発作で入院した際、「お酒も飲んでいないのにおかしいなぁ」と言われ、退院時には禁酒の指導を受けたことがありました。

今ではそのようなことはなくなっているのでしょうか?

 

A)知名度を調査したことはありませんが、肌感覚としては知らないお医者さんが多いと感じています。

小児科の先生方も知らない方がほとんどでしょう。

掘り起こされていない遺伝性膵炎の患者さん方も、まだ大勢いらっしゃると思います。

現在、慢性膵炎の患者さんの7割がアルコール性の膵炎、次に多いのが特発性の膵炎だと言われています。

 

Q)今後社会人になり、出張先等で、遺伝性膵炎のことを知らない先生に診ていただくこともあるかと思いますが、どういった準備が必要でしょうか。

 

A)主治医の先生に紹介状を書いてもらってください。心強いお守りになると思います。

 

息子のご相談です。

3歳8か月の発症から4回急性膵炎で入院しました。

6歳の時にERCPと遺伝子検査、9歳の時にERCPを行い、原因不明で経過観察中です。

現在は10歳、15g/日で徐々に脂質を上げながら膵炎が起きないか様子を見ています。

 

Q)2021年の遺伝子検査では該当する遺伝子が見つかりませんでした。

現在、原因となる遺伝子はいくつぐらい見つかっているのでしょうか。

また今後も増えていく見込みでしょうか。

息子の場合、もし該当する遺伝子が見つかったら以前の検査結果から自動的に病院に連絡がいくような形でしょうか。

 

A)遺伝子検査はどちらの病院でお受けになりましたか?

東北大学で検査をした場合は詳細を確認させていただきますので、主治医の先生から、正宗宛に問い合わせのメールをしてもらってください。

検査依頼をいただいて、まずお返事するのは発症率の高いPRSS1とSPINK1の2つです(他の遺伝子については、ケースバイケースになります)。

発見されている遺伝子は他にもいくつかありますが、”原因“と呼べないものも少なくないため、日常の診療でお話すすることはあまりありません。

また検査を受けて10年以上経過している場合は、再度お受けになることをお勧めします。

 

Q)今年行ったERCP(前回の膵炎から2年経過)で、3年前の結果(2回目の膵炎の約2か月後に行ってもらいました)と比べて膵管の蛇行や太い細いという状態が改善し、まっすぐで均一な太さになっていたことから、遺伝性膵炎の可能性が低くなったと言われています。

こういった状態の場合、先生もそう思われるでしょうか。

 

A)遺伝性膵炎であるかについては、正直、分かりませんというお答えになるかと思います。

画像の変化ですので、慢性膵炎として進行していない、と言った方が正確かもしれません。

膵管は元々蛇行している場合がありますので、慢性膵炎になったから蛇行する訳ではありません。

超音波内視鏡(EUS)の検査は受けましたか? 多くの場合、外来でも受けられる検査です。

膵臓の形より、実質、すなわち膵臓の肉の部分がどうなっているか、線維化しているかどうか、を見た方が良いでしょう。

いずれにせよ急ぐ必要はありません。もう少し大きくなってから受けられると良いと思います。

 

Q)脂質を上げていっても原因不明のまま何も起こらないこともあるし、再発した時は他の原因を考えて検査をしていくと言われています。

先生の患者さんに原因不明のまま脂質制限をせずに、何も起こらなかった患者さんはいらっしゃいましたか。

または他にどんな原因が考えられると思いますか。

主治医からは可能性は非常に低いと思いますが、高脂血症やミトコンドリア病から膵炎が起きる事もあるというお話を聞きました。

 

A)脂質制限の考え方は、発作がある時は制限をしましょう。症状がない時は緩めていきましょう。というのが一般的です。

(例えば、中学生の患者さんには成長の大事な時期なので、私はあまり制限はしていません)

制限をしても、膵炎が起こる患者さんと起こらない患者さん、両方がいます。

何が違うのかが、はっきりしないのが、実際の臨床の現場なのかな、と思います。

原因を突き詰めることで何のメリットがあるのか? というところに尽きると思います。

日本の場合は、遺伝性膵炎は医療費の補助という行政上のサポートがあるので、診断を付けることや原因遺伝子を知ることで経過が変わってきます。

一方ミトコンドリア病を深堀して、それが膵炎の治療になるかという状態ではないようですし、高脂血症も中性脂肪の値が1000を超えるような数値ではないので、それが原因と断定はできないでしょう。

ERCPで合流異常の確認はされていますので、原因不明の特発性膵炎として経過を見るので良いと思います。

成長の大事な時期ですし、再発がなければ脂質を上げてみましょう。

 

 

2024年11月17日 (日)

初めてのzoomミーティング練習会のお知らせ☆

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皆さまのご参加お待ちしております。膵の会きくち

 

2024年10月31日 (木)

11/26正宗淳先生zoom会相談会開催♪

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2024年3月 9日 (土)

4月7日㈰13時よりzoom相談会開催

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会の皆さまからご好評をいただいております、

先生をお迎えしてのzoom相談会です。

「日ごろから、こんなことが気になっているのだけれど……」

そんなご相談でも大丈夫です。

気軽にお問合せください。

お待ちしております♪

2023年12月15日 (金)

mimiも出席!伊藤先生zoom相談会12/17

明後日の12/17に、伊藤先生のzoom相談会を予定しております。

18歳になる患者(遺伝性膵炎prss1)mimiも出席します。

「膵炎のよくあるご質問」等も大歓迎です。

どうぞお気軽にご参加ください。

無料体験もお受けしております^_^

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2023年12月10日 (日)

zoom相談会-議事録-(2023.11.28)

議 事 録

目的:膵の会 zoom相談会

開催日時:20231127日(月)19:002000

場所:オンライン

 

<アドバイザー>

順天堂医院 小児科 鈴木 光幸(すずき みつよし)先生

順天堂医院 小児科 中野 聡 (なかの さとし) 先生

 

患者会出席者  8

・事前にいただいた質問事項について鈴木先生からの回答

・鈴木先生よりスライドを用いて膵管PS留置術のご説明

・質疑応答

 

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1)事前にいただいた質問事項について鈴木先生からの回答

小学3年生の男の子の保護者様より

ERCP、エコーなどの検査を定期的に受けておりますが、時折、慢性膵炎という言葉を先生から耳にします。気になり慢性膵炎についての本を読むと色々目にして少し混乱しています。どういった場合に慢性膵炎と診断されるのでしょうか。診断基準はありますか? 複数回膵炎が起きた場合を慢性膵炎というのでしょうか。それとも回数にかかわらず原因や膵臓の状態、検査から慢性膵炎という診断になるのでしょうか、教えてください。

慢性膵炎には診断基準があります(慢性膵炎診療ガイドライン2021、改訂第3版)。急性膵炎発作を反復して慢性膵炎に至るには、その途中経過があります。その時期が小児期に当たると「慢性膵炎のようだ(早期慢性膵炎)」という表現が使われることがあります。膵炎発作が1回のみ、あるいは数回起こしてもその後に発作がないようであれば、膵組織が元に戻り慢性化しないこともあります。

最近エコーで膵臓の様子を診ていただいた時に、膵臓にザラつきが見られるという話がありました。これはどんな状態なのか?(炎症後なので、かさぶたのようになっているのか)、また膵炎を起こさない期間が長くなれば改善していくものなのか、膵炎を数回でもおこすと見られる症状なのか等を教えていただけたらと思います。エコーを診ていただいたわけではありませんので分かる範囲で教えてください。

急性膵炎を起こした後に超音波検査をすると、膵臓内部がザラザラした状態に見えることがあります(エコー輝度の不均一と呼びます)。この状態は慢性膵炎でも観察されることがあります。単回あるいは数回のみの膵炎発作で経過が良好な症例では、膵組織の炎症が取れればザラザラした状態が改善することもあります。

今のような状態を保ったまま経過観察していく場合、先生でしたらどんな検査をしながら状態を見ていかれるのでしょうか。今は3ヶ月に一度通院した際に、尿検査、血液検査、身長と体重測定での成長や栄養の具合、アミラーゼとリパーゼを見ていただき、エコーは毎回ではありませんが行っていただいています。2021年にERCPをしたので、3年過ぎたらまたタイミングを見てやってみようかというお話を聞いています。前回のERCPは膵胆管合流異常がないかの確認だったのですが、ERCPは他にどんなことが分かる検査なのでしょうか。

基本的にはこの診療方針(流れ)で良いと思います。ERCPは侵襲的な検査ですが、膵管の形態(狭窄、蛇行、膵石など)がよくわかります。非侵襲的な検査としてMRCPがありERCPの代用となります。初期の慢性膵炎では経食道エコー(内視鏡の先端にプローべがあります)で膵臓の線維化が観察できることもあります。

 

24歳(男性)ご家族よりご相談

18歳のときに、突然膵炎を発症し、ERCPでの処置をしてもらいました。

以来食事等注意を払って生活しているのですが、数か月ごとに症状が出て、総合病院を受診するという状況が続いています。

現在24歳ですが、今年3月に激烈な症状があり、ステント留置をし、先日抜去して現在は経過観察中です。

不完全型の癒合不全と診断されているのですが、根本的な治療法はあるのでしょうか?

主治医からは「形なので食生活と規則正しい日常生活を送るしかない」

「胃腸薬については、消化できているので処方する段階ではない」

と言われているので、付き合っていくしかないのだと受け止めています。

膵管癒合不全は、現在の段階では内科的な治療はありません。膵管ステント留置術を行い細い膵管を拡張して膵液の流れを良くするのは治療戦略の1つです。ステントはすぐに抜いてしまうと再狭窄を起こし、膵炎発作を反復してしまうことがあります。そのため小さい穴をどんどん広げていって、太くし、その形が維持できるようにする必要があります。2−3ヶ月おきにステントを入れ替えながら徐々にステントの長さや太さを大きくして行く治療も行われています。

そのほかに日常生活での注意点などを教えていたただければと思います。

成人期膵炎の2大原因は、お酒とタバコです。禁酒、禁煙が勧められます。また脂っこい食事を控えるなどの規則正しい生活を送ることが大切です。

膵石の発生を抑えるにあたってのアドバイスをいただければと思います。

上記の回答とも共通しますが、成人期では規則正しい生活をすることで自然に膵石の発生も抑えることができると考えます。

 

18歳(女子)・遺伝性膵炎の患者さんの保護者様より

18歳5か月をむかえました。

高校に入ってからは、(胃腸炎で吐いたりは、年1度くらいありましたが、)膵炎の再発はなく、元気に生活しております。今後の生活についてですが、当面は、「現状維持ができればよい」といった感じでしょうか。膵性糖尿病の心配は、いつ頃から具体的な対策をとるべきでしょうか?(これは、個人差が大きいでしょうか?)

遺伝性膵炎の患者さんの(次にむかえる)問題は、膵性糖尿病の発症と発がんです。膵性糖尿病は40歳代以降に、膵癌は60歳以降に多くなるとの統計があります。その時に保護者の方がいるとも限りませんので、お子さん自身で病気の性質を理解し、予想できる環境を整えて行く必要があります。外来では血糖値やHbA1cなどの定期採血的を行っていくことが大事です。これらの項目は会社の健康診断での採血項目でもあります。また膵癌の可能性も考えて血液検査での腫瘍マーカーの確認や定期的に画像検査も必要となってくるでしょう。

 

2)鈴木先生よりスライドを用いて膵管PS留置術のご説明

膵管PS留置術とは、

細くなってしまった膵管の中に、筒状のプラスチックのステントを挿入し、数か月入れたままにして膵液の流れをよくすることで膵炎の発生を抑える処置です。

慢性膵炎になる原因や過程をはじめ、順天堂大学医院オリジナルの膵管PS留置術、症例、施術後の経過についてスライドを用いてステント画像も交えてご説明いただきました。(詳細の記載は控えます。)大変貴重なお話をありがとうございました。

 

<質疑応>>

質問1)

現在1年ほど膵炎をおこさず落ち着いていますが、これから成長するにつれて脂質をアップしていくのが必要だと思いますが、その前にステントをした方がいいでしょうか?

1年発作を起こしていないなら、脂質をアップして成長期のお子さんの栄養面を考えることが優先です。その過程で膵炎発作が起きてしまったら、次の治療ステップとして膵管ステント治療を考えればよいことです。再発を恐れて脂質を上げず、お子さんに必要な栄養素が取れないのは望ましいことではありません。

 

質問2)

10歳になり、脂質もアップでき、食欲もあり、よく食べるようになりました。

糖尿病のお話を聞いて、甘い物の食べ過ぎ、塩分を取り過ぎが気になりました。どのように考えた方がいいでしょうか。

今膵炎発作を起こしていないのであれば、現状の生活を維持すればよいです。糖をとるから糖尿病になるのではありません。糖尿病は相対的な摂取カロリーオーバー、運動不足、体質など多要因が原因となり発症します。塩分取り過ぎはよくありませんが、お子さんの一般的な食事で過剰摂取になることは少ないと考えます。食事のバランスを考えると脂質や糖質の過度な摂取や極端な制限はせずに、一般的な食事内容を心がけてください。

 

質問3)

①ステントを入れることで傷がつくことはないですか?

ステントを入れれば物理的に傷はつきます。まず、最初にステントを入れるために入り口(ファーター乳頭部)を切開することがあります。傷は塞がってしまうのでステントはしばらく留置して、傷が塞がらないようにする必要があります。次に挿入時に膵管内部を傷つける可能性や膵臓そのものを傷つける可能性もあります。

 

②25歳です。以前10Frのステントを入れました。その後1年半経ちますが、調子が良いです。どれぐらい経つと詰まってくる等の目安はありますか?

10Frは太めのステントです。数回入れ替えして、最終抜去から1年半経過しているのであれば膵炎発作を再発するリスクは低いと考えられます。定期的な画像評価(エコーなど)で膵管の形態(石がないか、狭窄がないか)を確認してもらうとよいでしょう。経験上、小児の患者さんでは2-3月毎に交換しながら1年ぐらい入れておけば膵管が再び細く戻ることは少ないようです。

 

③健康診断で空腹時の血糖値が110と、いつも基準値より高くでます。検診では特に何も言われませんが、とても気になります。ヘモグロビンA1cを追加項目として頼むべきでしょうか?

血糖値が110mg/dlであれば糖尿病予備軍である可能性があります。膵機能は、外分泌→内分泌(糖尿病)の順番で弱っていくことが多いので、膵内外分泌機能が両方とも落ちている可能性があります。主治医の先生にフォローしてもらってください。

 

質問6)

ステントを入れた後に、ステントを入れなおす事もあるのでしょうか?

再び膵炎発作を起こした場合にはステントを入れ直すことがあります。また、膵管内にドロが溜まって、その上流が拡張してきたりして、膵炎発作を起こす可能性が高まった方では入れ直すことがあります。入れ直ししないように規則正しい生活をすることが肝要です。

 

質問7)

①膵石は膵炎発作が起きると、できやすいですか?

膵石は膵液に溶けているたんぱく成分の塊です。膵管内にそのタンパク成分の核があると雪だるまのように大きくなり、膵管に詰まって、膵管を塞いでしまいます。膵炎発作が起こると膵管内に炎症が起き、膵管壁が傷つくことで膵石(蛋白栓)ができやすくなります。膵石は時間が立つと、石灰化し非常に固くなります。

②膵石をできにくくする薬はありますか?

膵石を予防する薬は現在のところありません。エビデンスはありませんが、ビソルボンという去痰剤(風邪薬の一種)が痰を柔らかくする作用があることから、膵石の元となる蛋白栓を予防する目的で内服を試みることがあります。臨床的な効果は今のところ不明です。

 

-最後に-

便秘の方は膵炎発作が起きやすいようです。膵炎発作の予防のためにも便秘にならないように心がけましょう。寒くなり胃腸炎が流行しています。腸の動きは膵臓の働きにも影響するので予防に心がけましょう。

 

先生方、皆さま、お忙しい中ご参加いただきありがとうございました。

また貴重なお話をいただき大変勉強になりました。

今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

2023年11月14日 (火)

日程変更:12月17日㈰13時よりzoom相談会

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お詫び:

日程変更がございます。

1210日㈰ → 1217日㈰

申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

 

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小児のzoom相談会(11/27(月)19時~)は、こちらです。

皆さまのご参加をお待ちしております♪

2023年10月 8日 (日)

11/27(月)19時よりzoom相談会

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こんにちは。皆さま。体調の方はいかがでしょうか。

今年度の「先生をお迎えしてのzoom相談会」です。

日程が決まりましたので、ご案内させていただきます。

よろしくお願いいたします。

2023年7月20日 (木)

7/17zoom会「議事録」

7月17日に行われました膵の会zoom会「議事録」です(ファイル形式:j-peg)。

(紙面をクリックすると大きくなります。また、画像保存していただいても読みやすくなると思います)

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日本ハム ミートデコレ 切り落としローストビーフ

↑ こちらでリンクにとびます。

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2023年1月24日 (火)

zoom相談会【議事録】2022.11.22

 大変お待たせしました。

 昨年11/22に行われましたzoom相談会の議事録をご紹介させていただきます。

質問が多岐にわたり、大変興味深い内容となりました。

たくさんの皆さまにお読みいただきたいと思っております。

 

ZOOM相談会【議 事 録】

目  的    膵の会 先生とzoom相談会

開催日時    20221122日(火)19:0020:00

場  所  オンライン

アドバイザー

順天堂医院 小児科 鈴木光幸(すずき みつよし)先生

神栖済生会病院 小児科 中野 聡(なかの さとし)先生

 

【事前にいただいた質問事項について鈴木先生からの回答】

 Q)9月に鈴木先生に診察していただいてから今日まで膵炎にならずに頑張っています。

脂質の目標10g/1日ですが、ようやく6g/1日になりました。

現在2週間に1回通院して血液検査をしていますが、他の検査をしていません。

通院先からは次に入院してからで良いといわれています。

エコーやMRI等の検査して欲しいと思いますが、そういった詳しい検査は本来どのくらいの頻度でやったらいいのでしょうか?

 

A画像検査の実施間隔については特に決まりは有りませんが、2週間に1回の血液検査をしていれば膵臓の状態は十分に把握ができると思います。当院では、状態が安定しているお子さんでは採血は3-4か月に1回のペースですので、2週間に1回は結構な頻度だと思われます。

エコーは3か月に1回程度で良いのではないでしょうか。また、地域によって医療費負担などが違いますし(エコーも毎回施行すると費用がかかる)、MRIとエコーでも費用負担や侵襲性(時間がかかる。年少児では鎮静剤の点滴を必要とするなど)の違いもあります。

血液検査だけで状況が把握できるのであれば、それでもいいですし、お子さんや膵臓の状態によっても、見るべきポイントが変わってきます。一律には難しいのですが、お腹が痛くない、血液検査の結果も良好であれば、侵襲性の低いエコーを3か月に1回程度行えばよいのではないでしょうか。エコーで膵臓の形態に変化が生じているようならMRI2-3年に1回等で充分です。

 

 Q)99か月の女子です。2歳半で発症し今までに7回入院していますが、29か月入院せずに過ごせています。脂質は13g 15g~17g/1日まで上げています。体重は24kgです。

タンパク栓が詰まらないようにするにはどうしたらいいでしょうか?

新しい治療はありますか?

 

A)新しい治療はありません。

一番大事なのは食事です。過食は避けるようにお願いします。思春期にも入ってきます。身長のスパートが起きる時期でもありますので、1日に必要なカロリーのギリギリぐらいまでを目安に、無理せずに栄養を増やすことが大切です。

29か月も膵炎を起こしていないのであれば、膵管の形態学的変化はほぼ無いのではないでしょうか。自信をもって栄養を増やして体格を大きくすることで、膵管が太くなり結果的に蛋白栓が詰まりにくくなります。しっかり栄養を取って体を大きくするのが近道です。

タンパク栓の予防についてはビソルボン(気管支炎、タンを出す薬)が効果的なお子さんもいるようです。しかし、有効性に関する証拠(エビデンス)はありません。

蛋白栓で膵管が詰まって膵炎を発症したら、そのまま膵液の圧が上昇し自然に抜けるのを待つか、内視鏡的に取るしかありません。詰まらないように、膵管も成長して大きくさせるのがいいでしょう。無理せず、カロリーを少しずつ増やしていきましょう。

 

Q)現在8歳の男子です。入院が今までに4回(発症は38ヶ月、その後62ヶ月、67ヶ月、74ヶ月)。最後の入院から8ヶ月位が経ちました。

一日脂質10g(68gの時もあり)、一日3回リパクレオン2錠、フオイパン1錠、ブロムヘキシン半錠、エレンタール一日2本で、遺伝性膵炎の疑いで経過観察中です。

今のような状態を維持したまま成長した時に、将来どのくらいまで脂質は上げていけるものでしょうか?

 

A)遺伝性膵炎の疑いで経過観察中とのことですが、原因をはっきりしてもらう必要があります。それによって対応が違ってきます。例えば遺伝性膵炎でもタイプがありますし、また膵管の形態学的異常、あるいは元々の生まれ持った体質的な膵管異常の場合もあります。その場合は治療を受ければ治ります。検査を受けて、そこをハッキリさせる必要があります。

保護者の方より(遺伝子検査済。ERCPを1度受け、合流異常はなかったとの説明あり)

膵炎を繰り返したのは、膵炎が起こった時に膵管内の壁が不整になり、そこに蛋白栓が引っかかり、それが核になり徐々に蛋白栓が大きくなり、膵管閉塞をきたすことが理由の1つに挙げられます。また、炎症により膵管自体が細くなり、そこにゴミ(蛋白栓)が詰まって膵炎を起こしやすくなります。しかし、膵炎を起こさない状態が半年以上経つと、膵管壁がスムーズになって、蛋白抜が引っかからなくなると再発しにくいサイクルに入ってきます。あと4か月ぐらい維持して、そのあとから少し脂質を上げて体を大きくする方向へもっていったらどうでしょうか。膵管の形態が戻ってくるので、脂質を上げることが出来るようになってきます。あまり怖がらないで脂質を上げてみましょう。起こしてしまうときは起こしてしまうのですが、体が大きくならないと、治るものも治りません。体が大きくなることで膵管が大きくなれば、膵炎も起こしにくくなります。

 

 Q)風邪などの体調不良の時に、うんちの色の変化が数日から1週間ぐらい続くことがあり心配になります。

白みの強い黄色や灰色に近い緑などがありました。

色の変化で気にした方がいい場合はありますか?

 

A)胃腸炎のときは色が変わることがよくあります。胃腸炎であれば、34日で戻ります。一般的に白、灰色が普通の時も出る場合は早く病院へ行った方がよいでしょう。便は空気に触れると色が変わってしまうことがあるので、写真を撮っておくとよいでしょう。緑の場合は、(胆汁が排出されているので)胆汁の色なので問題ありません。大丈夫です。

 

Q)70代の母のことでご相談します。

19年慢性膵炎と言われていましたが、具合が悪くなり精密検査を受けましたら、「急性膵炎を繰り返している」と、真逆のことを言われました。

すい臓が腫大してIPMNがあり、粘性の膵液が渋滞を起こして疼痛になると診断され、ビソルボン処方になり、熱も下がり痛みも少しずつ楽になったようです。

そちらの先生から、「お母さんは遺伝性膵炎かもしれないが、その検査をする場合は大学病院での自費検査になる」と言われました。高齢ですし疲れている様子だったので、(その時は)遺伝子検査のことはお断りしたのですが、この際ハッキリさせた方がいいのでしょうか?

 

A)遺伝性膵炎の検査は、今年の4月より保険で出来るようになりました。ただし、遺伝子カウンセラーが病院にいる、遺伝子検査施設と契約する等の施設条件があります。大学病院クラスであれば検査は可能と考えますので主治医とご相談ください。研究として無料で施行している施設もあります。また、「慢性膵炎と言われていたのに、急性膵炎を繰り返していると言われ真逆に感じた」とのことですが、実は真逆ではありません。急性膵炎と反復性膵炎、慢性膵炎は別の病気ではなく、徐々に進んでいく過程のどこで見ているのかという事です。この流れの中で病名が変わっていきます。

高齢でも遺伝子検査するべきかどうかという点については、ご本人次第です。「遺伝性膵炎」なのかを知ることで、今後どのように生活していこうかと考えることができます。すい臓がんが一番厄介になりますが、将来ならないための動機付け・意識付けになります(禁酒をするとか、禁煙をするとか)。現在、ビソルボンを飲み落ち着いていて、ご本人に検査の気持ちが無ければ、検査をせず様子をみてもよいと考えます。

 

Q)娘が膵全摘自家膵島移植を受け、3年が経ちました。

膵全摘自家膵頭移植の海外実績と、海外でのオペ対象年齢。

オペ後のインスリン使用率や、インスリンフリー率。

インスリンフリーの場合、何年ぐらいインスリンフリーで生活できているか?

日本ではインスリンフリー患者がいないようなので、海外の実績を伺ってみたいです。

 

A)国立国際医療研究センター 膵島移植センター 霜田雅之先生より、ご回答をいただきました。

もっとも公平なデータとしましては、CITRという国際レジストリーがあります。

日本のデータは残念ながら含まれておらず、欧米が中心です。

 

https://citregistry.org/content/reports-publications-presentations

このデータの中に、慢性膵炎等に対する膵全摘自家膵島移植のデータがあります。かなり詳細です。ただし、個々の患者さんの予測はできず、統計上の平均になります。

 

今年出た最新版によると、

・海外実績:1233名が実施されています。

ただし、日本のように登録されていない症例も結構あると思われますので、少なくとも1233名で実際はもっといるということです。

・海外でのオペ対象年齢 :このデータでは12歳未満として示されていますが、聞いた話では海外では3歳から行っている施設もあるようです。幅広い年齢層で行われています。日本では、私どもの臨床試験で18歳〜70歳です。

 

・オペ後のインスリン使用率:術前から糖尿病の方も含まれていますが、全体として60-80%くらいのようです。個人差および術前の糖尿病状態による差が大きいです。

・インスリンフリー率。:上の質問の反対で、全体として20-40%くらいのようです。術前糖尿病でない・女性・若年層などの患者さんが成績が良いです。

 ・インスリンフリーの場合、何年ぐらいインスリンフリーで生活できているか?:

直接的に回答できるデータは示されていませんが、全体としては1年目のインスリンフリー率と5年目のインスリンフリー率はあまり変化がないので、多くの患者さんでは一旦インスリンフリーになった方は5年以上持つと思われます。

それ以上の長期となるとまだはっきりしたデータはありません。

ただ一般的には、年月が経つと徐々に機能は低下していくと思われます(一般人口においても、加齢により糖尿病を発症する方が増えるのと同じです)。

 

なるべく長持ちさせるためには、一般の糖尿病予防と同じく、肥満を避け、良い食生活や適度な運動、ストレスをためないなどが推奨されます。アルコールの飲みすぎや喫煙はリスクになります。以上になります。

 

ここで、鈴木先生より膵島移植について補足説明をしていただきました。

遺伝性膵炎の患者さんは膵炎を何度も繰り返すので、慢性的な痛みで学校に行けない・仕事に行けない、といったことが起きます。また、すい臓がんになるリスクも高いので「すい臓を全部取ってしまえば根源は断てるだろう」といった考えで、この膵島移植の手術が始まりました。

ただ、全部取ってしまうと糖尿病になります。それを予防するためにどうしたらいいかというと、取ってきたすい臓の(なるべく若いうちに)細胞をバラバラにし、インスリンを分泌できる細胞だけを集めて、肝臓に注入します。すると肝臓の中でインスリンを分泌する細胞が生着し、ご飯を食べるとそこからインスリンが出るので、糖尿病の治療をしなくていい、という手術になります。理想的に聞こえますが、実際には膵臓を全部取るのは大手術になりますし、肝臓の中にインスリン分泌細胞が生着しない場合には、インスリン注射が必要となり完璧な治療というわけではありません。

 

【鈴木先生と患者会参加者との質疑応答】

Q)食事以外で風邪や疲れによって膵炎が起こりやすくなるとよく言います。膵臓の酵素が上がりやすくなるのはどうしてか教えてください?

 

A)理由は大きく2つあります。

まず胃腸炎にかかった場合、10%ほど症例で、程度の違いはありますが血中アミラーゼ値が上がります。胃腸炎になると腸の壁がむくみ、腸に接している膵管の出口もむくみます。それによって、膵液の流れが滞るからです。また、風邪や疲れなどで腸の動きが悪くなると、膵液の分泌が滞るためアミラーゼが上がりやすくなります。

 

Q)慢性的にアミラーゼ、リパーゼが高く、腹痛も常にあります。息子がサッカーをしていますが、気をつけた方が良いことはありますか?

 

A)本人が出来るのであれば、特に運動に制限はありません。どんどんやってください。

体格が大きくなって解決することもありますので、体調が良い時には、栄養をたくさん取って体を大きくしていきましょう。

 

Q)膵全摘自家膵島移植をして、3年半経ちました。ときどき、いまだに左のみぞおち(膵臓があった場所)が痛いときがあります。癒着が原因でしょうか? 何か関係しているのでしょうか?

また、胆管炎にならない方法はありますか? 1年に2回ぐらい胆管炎を起こします。今は胆管が焼き鳥の串ぐらいの太さだそうで、プラスチック製のステントを2本入れました。今は自然に流れ出たようで、ステントが入っていない状態です。次は金属のステントになるそうで心配です。

 

A)大きい手術なので癒着はあると思います。

主治医から小分けにしてご飯食べてくださいとのアドバイスはあったでしょうか。

手術の際に胃も切っているので、一度にたくさん食べると胃や腸が無理に動きます。肝臓からの胆汁が途中から混ざることになるので、流れも悪く全体的な食べ物の流れが滞ってしまうのです。

これはずっと続きますので、痛くなったら無理せず消化いいものをよく噛んで食べましょう。

リパクレオンを上手く活用し、おやつの時に少し飲んだりしてもいいでしょう。

 

胆管炎にならない方法についてですが、術後何年経ってもそのリスクはあります。手術前提の話は難しいですが、金属ステントは手術を先延ばしにする役目がありますので、もしそれでも胆汁の流れが滞り胆管炎を繰り返すようなら手術になるのではないでしょうか。一般的な注意事項ですが、バランスよく食べ、運動をして、量を食べすぎないことが大切です。食べ過ぎは痛みの原因になりますので、調整していきましょう。

 

A)特発性膵炎で17年経ちました。当初遺伝性膵炎の疑いがありましたが、検査は受けていません。今分かっている遺伝子はどのくらいありますか?

また、「特発性膵炎の方も、実は遺伝子異常を持っている」可能性が高いのではないかと思うのですが、どのようにお考えですか?

 

A)1996年前に、遺伝性膵炎の原因遺伝子が初めて報告されました。解明された遺伝子の他にも原因が分かってきていて、現在10種類ぐらいの遺伝子が知られています。将来的には他にも関連遺伝子の関与も明らかになるかもしれません。時間がたつと知識が整理されて、(可能性が高いかどうかは別の話になりますが、)特発性膵炎の方でも、遺伝子異常の要因を持っている方がいる可能性があります。

 

Q)知人の話です。17歳の時に膵炎を発症し、20年後に潰瘍性大腸炎になったので、「17歳の時に発症した膵炎は、自己免疫性膵炎だったのではないか?」と思われたそうですが、このような症例をご覧になったことはありますでしょうか? 

 

A)軽い潰瘍性大腸炎の初発が膵炎だった、というのは、実はよくある話です。(20年前の話なので因果関係があるかは難しいですが。)自己免疫性膵炎には2つタイプがあることが知られています。1型がIgG4関連疾患と呼ばれます。2型は、(比較的若年で)クローン病や炎症性腸疾患に合併することが多いです。治療としては両者ともステロイドが効くようです。

 

Q)次男が慢性膵炎の疑いですが、原因がはっきりしません。生まれつき膵管が細く、長男も癒合不全があります。将来的な治療として薬以外の対処はステント治療があると思いますが、他にどういった手段があるのでしょうか。

また、次男は腹痛があり、膵炎を起こすのが怖くてご飯を少ししか食べられません。エレンタールも苦手です。エレンタール以外のサプリや何か良い手立てはありませんか?

 

A)お子さんの場合、(癒合不全でも)体が大きくなるのが一番です。

癒合不全で副膵管をメインにすい液が流れている人はたくさんいますが、普通に生活をして、膵炎が起こらない人もたくさんいます。体格が良くなれば、膵管が太くなり膵液の流れも良くなるし、ずっとそういった形態であれば、体が反応して流そうとする力が働くはずなので、段々起こさなくなる可能性があります。

 

また、食事についてですが、普通に栄養のバランスを考えて摂取(献立)を考えましょう。腹痛の原因が慢性膵炎だけなのかというと、胃腸の動きが悪いなどもあります。全部が慢性膵炎のせいではなく、食の好み・環境なども関係してくるので、お子さんの食事作りは大変だと思いますが、保護者の方に頑張っていただいて食事のバラエティが増えることを期待したいところです。

 

Q)22歳で慢性膵炎ですが、食事制限を受けていません。

今までステントを2回入れて、落ち着いています。ステントは自然に抜けました。

膵臓が普通の半分ぐらいの薄さだと言われています。進んでいるのでしょうか?

脂質が多いメニューを、罪悪感を感じながら食べています。膵炎にならなければ、食べていいのでしょうか。

 

A)お腹が痛くないなら食べても大丈夫です。(下痢便が出る、糖尿病の一歩手前など、)慢性膵炎にもステージがあります。今のステージがどうなのか分かりませんが、明らかな異常所見があってステントを入れたのでしょうから、脂質は少し抑えて、薬を飲みながら栄養を取るのがいいでしょう。膵臓が萎縮していて膵臓の組織が傷んでくると、逆に膵炎が起こらなくなります。また、痛む場所がなくなってきます。慢性膵炎の末期になると、血中アミラーゼ値が上がらなくなります(膵臓機能の廃絶)。食事内容に関しては主治医に確認してから調整をしましょう。